NK細胞療法は、末梢血から採取したNK細胞を、体外で刺激、増殖させたのち、体内に戻す療法です。

※厚生労働省にて本再生医療提供計画書の届出ならびに受領済

この刺激されたNK細胞は体内をめぐり、がんにたどり着いたときに攻撃する効果を期待するものです。この治療で1回に投与する量は患者様の状態により異なりますが、健康な人が持っている5~10倍以上のNK細胞を投与します。
従来の治療法と併用して進行がんの治療、あるいはがんの手術後の再発防止に使用し、患者様の生活の質(QOL ; Quality Of Life)の向上に役立てることを目的としています。
進行がんの場合、外科療法で肉眼的にはがんをきれいに取り除けたとしても、検査では発見できない小さながんが残っている可能性があり、それがもとで、将来、再発することもあると言われています。

化学療法、放射線療法、手術、その他の治療を行っておられる場合、または行う予定のある場合には、可能な限り、その治療を行う主治医の治療計画を崩さないように留意し、それらの治療スケジュールに応じてNK細胞療法の投与方法や投与期間を決めていきます。他にも有効な治療法のある場合は、その治療との併用に関する相談やアドバイスもいたしますのでご安心ください。

治療の流れ

1.採血(原料となる細胞の入手の方法)

<末梢採血の場合>
静脈(尺側皮静脈、橈側皮静脈、肘正中皮静脈など)から採取した末梢血約25mlより細胞製造に必要な採血量(生細胞数1.0×10^6-1.0×10^9個)のNK細胞を含む単核球を採取します。

<成分採血の場合>
静脈(尺側皮静脈、橈側皮静脈、肘正中皮静脈など)から成分採血装置(医療機器)により循環量約25-100mlの範囲で細胞製造に必要な採血量(生細胞数1.0×10^6-1.0×10^9個)のNK細胞を含む単核球を採取します。

2.NK細胞の培養

採取したNK細胞を、体外で抗CD16抗体、抗CD3抗体やIL-2、IL-15といったサイトカインという物質を用いて刺激することで活性化させます。抗CD16抗体、抗CD3抗体、IL-2、IL-15、サイトカイン、という言葉はなじみがないと思いますが、人の体の中にある物質の名前やその総称ですのでご安心ください。
なお、毎回採血にこられない患者様や抗がん剤治療を今後受ける予定の患者様は、一度にまとまった採血を行い、凍結保存しておく場合がございます。一旦凍結した細胞を培養する場合、まれに細胞の増えが悪い場合がございます。

3.NK細胞の投与

2週間間隔で末梢血からゆっくり点滴します。



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