がん免疫療法
1.がん免疫療法


がん免疫に関する研究の進歩によって、患者さまの体内ではがん細胞を排除するための免疫の仕組みが上手く機能しなくなっていることが明らかになってきました。これは、体内のがん細胞が免疫細胞に対して攻撃できないように変化することが原因だと分かってきています。
以前はこれを解決する手段がなかったために、がん細胞だけでなく正常な細胞にも区別なく攻撃してしまう抗がん剤などを用いて、すべての細胞を攻撃する方法しかありませんでした。

しかし、「いかにして正常細胞には影響なく、がん細胞だけを攻撃できるようにするか」というアプローチがようやく医療の現場で実現可能になってきました。そこでウイルス独自の目印を注射するインフルエンザワクチンのように、「がん細胞独自の目印」を注射することによって、体内の免疫細胞ががん細胞だけを正しく認識できるようにするための治療法として開発されたのが「がんワクチン」です。

このように、体内の免疫細胞にがん細胞だけに作用(正しく認識)するように加工した「がんワクチン」を投与する免疫療法を、総称して「特異的がん免疫療法」と呼びます。

2.がん免疫療法の副作用について


過去に行われた多くの臨床研究において、重篤な副作用はこれまで報告されていません。
また、当クリニックでの過去10年の治療においても重篤な副作用を発症した患者さまはいません。
本治療したことによる体内の免疫反応の結果、注射部位が一時的に赤くなったり(発赤)、かゆみや痛みを伴うこと、また発熱がみられることがあります。
本治療は、免疫の活性化を目的とした治療法ですので、これらの反応は副作用ではありますが、一方では効果につながる必要かつ重要な反応であると考えられています。
また、アフェレーシスという成分採血装置を用いて患者さまの血液から樹状細胞の元となる細胞を取り出す必要がありますが、その際の主な副作用として口の回りや手足のしびれなどが起こることがあります。これは血液を固まりにくくする薬によっておきる血中カルシウムの低下によるものです。これは、ヨーグルトなどによってカルシウムを補給することで改善します。

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